2010年JPA選手育成基金 PWCイタリア参戦報告 村上恭子選手



7月3日から10日で開催されたイタリアワールドカップの参戦報告をさせて頂きます。
大会期間中あまり天候に恵まれず、タスクとしては2本しかできませんでしたが、初めてのヨーロッパでの大会は、参加選手、地形、運営方法等いろいろなものが日本の大会とは違っていて戸惑うこともありましたが、とても勉強になりました。
人気のヨーロッパラウンドだけあって参加選手のレベルも非常に高い上に、私自身の判断の遅さ、上げの遅さ、トランジットの遅さ等もあり、競技中はあっという間に最後尾になってしまいました。ゴールメイクするためにはやはり集団で飛ぶ必要があり、集団で飛ぶにはスタートを高く正確に切ること、スピードtoフライが出来ること、常に自分のグライダーの性能を理解し、自分の判断で飛ぶことが必要だと感じました。普通に考えると当然ながら出来ていなければいけないことですが、なぜこれらのことに今まで真剣に取組んでこなかったのかと自分自身に疑問を持つほどでした。
そして地形ですが、初めてのエリアというだけでもドキドキするのですが、木がなかったり岩盤が見えていたりすると、さらにドキドキして「こりゃ落ちたら怪我するなぁ」と意識せずにはいられず、ついついブレークコードを抑えすぎたり、自分の悪い癖がさらに強調されてしまい、さらに上手く飛べませんでした。
大会の主催者も、基本的には選手それぞれの自己責任でという意識が強く、日本ではテイクオフスタッフが沢山いて前から順番にテイクオフしていきますが、イタリアでは選手おのおのが前に人が居ようが自分の判断で好きなタイミングでテイクオフしていきますし、練習日やタスクキャンセル後のフリーフライトで入下山をチェックすることもありません。まして、大会期間中もレポートバックはするものの入山のチェックをすることはありませんでした。そんな環境の中で飛んでいる人たちと、いつも誰かに見守られながら飛んでいる環境では、きっとメンタルの強さが違ってくるだろうなと思いました。
日本では経験できないような地形で飛ぶにはやはり海外に行かないと経験できませんが、日本でも技術や戦略や自立心を身につける環境はいっぱいあることを改めて認識したので、こつこつ練習して大きく成長していきたいです。
最後になりましたが、イタリアでは、扇澤さん、水沼さん、大澤さんに面倒を見ていただき、また色々な練習のヒントも教えていただき、この経験が何倍も良い経験になったような気がします。本当にありがとうございました。そして、JPA選手育成基金により、このような貴重な経験をさせていただき本当にありがとうございました。
いっぱい練習して、また行きたいです。